保釈されるカルロス・ゴーンさんの姿を捕えようと、
東京拘置所の出口には大勢の人が待ち構えていた。
ところが、煙にまいたのだ!
作業員に変装するという裏技で。

さらに、乗り込んだ車も、
大きく立派な車の横にある軽のワゴン車。
(それも他社製である)
計算されていたのは、
彼が出てくる少し前に、同じ出入り口から、
同じ制服を着た作業員が建物に入っている点だ。
作業員が二人になって出てくることを
不審に思う人は少なかっただろう。
なぜなら、いくつかの時間差もあったからだ。
慌ただしい玄関を涼しい顔で通り過ぎる姿は、
思い出すとニヤリとさせるシーンだった。